2022/9/8 日刊不動産経済通信
アスコットはインバウンド投資への対応を強化する。昨年10月に新設した国際事業本部が中心となり、日本の不動産を中国人を始めとする外国人投資家らに販売する体制を整えた。売買仲介だけでなく買取再販にも入れる。買取再販では東京都心にある高級区分マンションを主に扱う予定で、第1弾は専有面積100話を超える麻布アドレスの物件だという。
7月に社長に就任した中林毅氏は中国の投資ファンドである平安ジャパン・インベストメントの代表取締役でもある。平安グループの人脈や販売網を生かし、東京都心の億ションなどを海外の投資家に販売する。取り扱い物件を紹介する専用サイトを8月に立ち上げた。サイトには7日時点で実需向けレジの「BRANZ上目黒諏訪山」と「BRANTOWR芝浦」、投資用の「ザ・レジデンスDDI練馬」の3物件を載せているが、他に非公開の物件もある。掲載物件は段階的に増やす。
国際事業本部の職員が投資案件の選定・紹介から契約、投資後の管理に必要な法務・財務などの手続きまでを英語と中国語で支援する。7月には日本在住の外国人富裕層を対象とする資産形成のセミナーを東京・銀座で開いた。こうした招待制のセミナーや専用サイト、メッセンジャーアプリ「WeChat」などを通じて投資家への働きかけを強める。アスコットは事業メニューの多様化を進めており、「DX」「金融」「国際」という3つの事業部門で収益拡を目指している。昨年に物流施設の開発に参入し、今春には海外の機関投資家と共同で首都圏のレジなどに投資す私募ファンドを作った。将来的に不動産を小口化して売ることなども視野に入れている。