2015.06.26

メディア掲載

『日刊不動産経済通信』に「社長インタビュー」の記事が掲載されました

2015.06.26 日刊不動産経済通信

開発事業の現状について。

加賀谷氏 マンション開発は、東京・中央区、台東区、墨田区、江東区など、当社が得意とするエリアで引き続き展開していく方針だが、仕入れ環境が厳しい。当社物件の顧客層は比較的所得が高く、生活に対する感度も高い人が多い。そういった層が好むエリアでも開発を検討していく。年間5棟程度をコンスタントに供給できるようにしたい。

新規事業について。

加賀谷氏 個人投資家向けのアパート開発を始め、戸建事業も再開した。アパートは、3億円以内の鉄骨造かRC造の物件を供給している。渋谷区、世田谷区、目黒区など、アパート用地が取得しやすく、賃貸需要が底堅い都心からやや西寄りがターゲットとなるエリアだ。「ファーレ」というブランド名で展開しており、東京・渋谷区笹塚と中野区鷺宮で開発した。いずれの物件も今春竣工し、ほぼ満室となっている。戸建てもそうだが、1棟ずつコンセプトを持って作り込んでいて、デザイン性が高いものを仕上げている。アパートは個人投資家から好評を得ており、戸建ても仲介会社から評価を得ている。

なぜアパート、戸建てか。

加賀谷氏 マンション開発は土地の取得から引渡しまで2年程度要し、その間に生じる景気の変動に対応しづらい。また、土地の取得が厳しくなるなど難しい側面がある。アパート開発や戸建分譲は半年サイクルの事業なので、事業環境が変化しても対応しやすい。事業環境が悪くなれば、安く仕入れてリーズナブルな価格で売ればいい。事業環境が良ければ、高く仕入れても高く売ることができる。

多角化をどう進めるか。

加賀谷氏 収益物件のバリューアップは、収益の柱として成長してきている。最終的に5億円以内で個人投資家に買ってもらえるような物件を仕入れている。投資家からの反応も良く、着実に拡大している。これに加えて、アパートと戸建事業も伸ばしていきたい。各事業をバランス良く成長させて、どのような事業環境にも対応できるようにしたいと考えている。

澤田ホールディングス(澤田HD)とのシナジーは。

加賀谷氏 澤田HDには09年から資本参加を受け、グループ会社のハウステンボス(株)(長崎県佐世保市、澤田秀雄社長)で開発している「スマートホテル」のプロジェクトマネジメントを行っている。また、澤田HDの海外ネットワークを活かして海外投資家に対するアプロ―チも始めた。

今後の展望について。

加賀谷氏 デベロッパーの使命は、長期的な視野に立ってまちと人々の生活を良くすること。オリンピック開催を機に不動産価格の値上がりを期待するような事業はしない。オリンピック後に東京、あるいは日本がどう成長するのかを見極め持続的なまちの発展に貢献していきたい。機動的に方向転換できることが、我々のような規模の会社のメリット。そのためにも1つの事業を大きくし過ぎず、どのような事業環境にも対応できる体制を整えていく。