2022/04/04 日刊不動産経済通信
アスコットは首都圏の賃貸マンションや高齢者向け住宅、学生寮などを投資対象とする私募ファンドを組成した。海外の機関投資家と共同で出資し、安定感のある首都圏の賃貸レジなどに特化したファンドを作った。AMも自社で手掛ける。シード・ポートフォリオは東京の原宿や西新宿、両国などにある自社ブランドの賃貸レジ9物件。外部のデベロッパーやファンドなどからも物件を買い、運用規模を拡大する計画だ。
新規事業を統括する部署の「不動産ファンド事業本部」を昨年に立ち上げて以来、自前のファンドを作るのは初めて。05年に特定目的会社(SPC)のスキームで自社開発のマンションに投資するファンドを作った実績がある。同時期に開発型ファンドも組成した。当時は運用を外部の不動産ファンド運用会社に外注していたが、今回は自前で運用する。
新設したファンドには賃貸マンション「アスティーレ」シリーズや投資用賃貸マンションの「オジオ」シリーズなどを組み入れた。コロナ禍でも利回りが比較的安定した首都圏の賃貸マンションなどに投資対象を絞る。自社ブランドの「アスティーレ」は20年春に旗上げしたマンションシリーズで、施設規模は1棟当たり10~20数戸、中心となる販売価格帯は8億~10億円。将来的にリート組成も視野に入れる。
2月には不動産投資型クラウドファンディング(CF)事業にも参入した。ファンズ(東京・港区)が運営する同名のサイトで初弾案件への出資を募り、3月7日までに個人投資家などから総額3億円を調達した。集めた資金は自社で開発する賃貸マンションやオフィスなどの事業に充てる。